絣の北限の地、米沢探訪の巻

2016.08.01 Monday

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     6月末に小松空港より、サクランボがたわわに実る山形県を訪ねました。

     

     まずは、白鷹町へGO。

     

    板〆絣といえば織元白たか織、佐藤新一氏の工房を見学。

     

    山奥の神隠しの秘境に案内されるのかなという時に、

     

    ぼんやりと集落が見えてくるではないか。

     

    どこか見覚えのあるノスタルジアな風景。

     

    心が新鮮になり、この地に足を一歩下した。

     

    白鷹の里

     

     最初は、糸染めを行う工房に案内された。

     

    作品創りに没頭できる素晴らしい環境。

     

    下界の邪念の排除された環境が作り上げる、

     

    真っ直ぐにほのぼのとした色に糸が染められていく。

     

    板〆絣糸 

     

     織元の話によると、機織り職人の高齢化と

     

    若い後継者がなかなかきてくれないので生産量が減少し

     

    糸を染める回数も少なくなったそうだ。

     

     とどめは板〆絣の、板〆絣の名前の発祥ともいえる、

     

    絣板の欅が、今では入手困難であるとのこと。

     

    絣板

     

    創る意欲はあっても作れない、寂しい話だ。

     

     山形県の重要無形文化財として、

     

    この昔から変わらぬ技法を少しでも永く続けて頂くことを切に願う。

     

     作り手の気持ちになり、ぶっかけ染めの真似事してみました。

     

    本当はグツグツ煮えた染料を絣板にぶっ掛けます。

     

     ぶっかけ染 店主

     

     次に向かうは、機織り工房。こちらはのどかな盆地の中心らしき所。

     

     トントントンートントントンー、

     

    「板〆絣」「雪花織名古屋帯」各々の織機から

     

    機織り職人の奏でる心に響く、切ないハーモニー。

     

     板〆絣糸を合わせながら、手際よく織っている熟練職人。

     

    板〆高機織職人と店主


     色の魔術師のように自在に色糸を扱う帯を織る職人・・・。

     

    雪花織名古屋帯

     

     この真面目に汗をかいてる方々の為に私のできることは何?

     

    それは微力でも製品を買い取らせてもらうことです。

     

     9月の催事に備えてなんとレアな「板〆絣」

     

    機織り中の「雪花織名古屋帯」GET・・・。


     佐藤新一工房の皆さま

     

    貴重なお仕事の時間にご迷惑をお掛けしたこと心よりお詫びいたします。

     

    ありがとうございました。

     

    織元白たか織 佐藤新一氏と店主

     

     翌日は事前に全国より選抜された代表の呉服店として

     

    「渡豊工房」さんで「サクランボの実染め」

     

    体験&研修会に参加しました。

     

     知名度の無い福井県の呉服店がなぜ、と思いましたが

     

    「きものSalon‘16春夏号」の特集

     

    「行ってみたい噂の呉服店」(P149)で

     

    取り上げられたことが評価されたみたいです。  

     

    http://www.kimonosalon.net/info/hokuriku/160225_56.html

     

     草木染めというと、樹皮等で染める染色が多いので、

     

    私は果実の実で染める作業を、聞いたことがありません。

     

    「渡豊工房」さんのサクランボ染めに使うサクランボは、

     

    色の濃いアメリカンチェリー系の

     

    『サミット』『紅さやか』『ジャボレー』『フジヤマ』

     

    4種類を染め物用として使用しています。

     

    染物用に使用したサクランボ

     

     今回は4反分の横糸を染めます。そのために用意されたサクランボは6箱。

     

    立派な箱に入っていました。鮮度高いし、すごく勿体ない気がした。

     

    この新鮮なサクランボを全て潰します。

     

     全国から選抜されたキチンとした呉服屋さんが全員参加で、

     

    手で揉んだり、足で踏んだり汗を流しながら

     

    一心不乱にサクランボを潰しました。

     

    サクランボを潰す店主サクランボを踏む店主サクランボを潰す店主サクランボ染料を集める店主サクランボ染をする店主

     

     

     つぶした染料を濾して、絞って、煮出して、染料になります。

     

    これで私達も糸を染めさせてもらいましたが、うーん今いちの出来栄え。

     

     そこで仕上げはプロにお任せ。

     

    「渡豊工房、若社長、出番です、お願いします!」

     

     

    酢酸挿入工程糸を染める工程糸を染める工程

     

     

     仕上げに抽出した染料に酢酸を加えたら、

     

    鮮やかな色を保つのと、媒染の効果があるそうです。

     

     染料の温度が上がるにつれて酢酸が鼻にツーンときます。

     

    そして熱い釜茹での前での作業。

     

    もくもくと作業する彼の姿に私と共通する何かを感じた。

     

     こうして糸が完成してもすぐには織らずに、

     

    1年以上寝かせて色を落ち着かせ製品の堅牢度を高めます。

     

    染め上がりを確認する店主

     

     

     ご指導をして頂いた「渡豊工房」ご家族の皆様

     

    どうもありがとうございました。

     

    そして共に汗を流した同志の皆様、切磋琢磨して、頑張りましょう。

     

    渡豊工房ご家族と店主真面目な呉服専門店同志

     

     

     確かな製品を買い取り、

     

    一般の皆様に喜んでお買い上げ頂くことが、

     

    私たち呉服専門店の使命です。

     

     9月の催事に備え、サクランボ実染めGET。

     

     

     

     

    番外編

     

     米沢といえば、上杉神社。上杉鷹山公に敬意を表し参拝しました。

     

    お昼は上杉伯爵邸で「うこぎご飯」

     

    うこぎとは上杉鷹山公が垣根として整備させた食用となる食物です。

     

    ヘルシーでした。

     

    うこぎご飯

     

     

     工房への移動中に、地元織元一押しの、山形のサクランボ農園で

     

    『佐藤錦』『紅秀峰』など美味しいサクランボを腹一杯頂きました。

     

    木に登ったり、色々な種類を食べ分けたり・・・本当にうまい!

     

    美味しいサクランボ米沢牛のステーキ

     

     夜は米沢牛のステーキ

     

    私は最近、肉は胃にもたれるのであまり食べないのですが、

     

    こんなの初めてですが、ペロリでした。

     

    やっぱりいいものは良い。

     

    着るもの、食べるもの。

     

     弊店は、呉服専門店として、

     

    真面目に物作りをしている織元、染元から

     

    製品を買い取ってお客様に提供しています。

     

    以前なら当たり前の事ができていない業界だから、

     

    真面目な作り手が衰退します。

     

     弊店は微力ではありますが

     

    「なせば成る。なさねば成らぬ、何事も。成らぬは人のなさぬなりけり。」

     

    (上杉鷹山公詠)

     

    肝に銘じ精進することを誓います。

     

    なせば成る